こんにちは。
少し間が空いてしまいまして、すっかり年末ですね。
前の記事では暑すぎるとか言っていた気がしますが…時の流れは早いものです。
さて、Xでは軽くご報告いたしましたが、筆者は2024年10月より通信大学に入学してまして、今年は大きなチャレンジに踏み出した1年となりました。
このようなチャレンジに至ったのも、ひとえにA3!の新章に背中を押されたからだと思っています。
というわけで、今回の記事では、A3!の新章ACT4と私の挑戦について振り返りながら、深堀りしこうと思います!
※本記事はA3!メインストーリー第4部のネタバレを含みます。
Contents
経験者の「開花」|何度でも、花は咲く。
今年配信されたA3! メインストーリー第四部ですが、あまりにも最高すぎませんか…?
Xでも少しお話しましたが、リリースから7年経ってもなお新たな気持ちでワクワクできる。A3!に出会った頃の新鮮なワクワク感がありつつも、この期に及んで面白い!いや、この期に及んでるからこその、7年目ならではの面白さがある。というわけわからなさでした。とにかく最高。
では、何がこんなにワクワクするのか?最高なのか?と考えると、やはり各キャラクターが新しいことに挑戦するというのが大きな要因ではないでしょうか!
否定と肯定から生まれる開花
ACT4でなぜこの「挑戦」を実行する必要があったかというと、フルール賞の制度が一新され、「今までのやり方では、目標達成が難しくなってきてしまっていたという要因。そして、ある意味でスキル的に熟達したことによる限界のようなものもあるでしょう。
そんな中、公演を控えた咲也たち春組は、自分らしい芝居について吟味しはじめました。
駆け出しの頃の自分たちを客観的に検証し、当時は今よりも無我夢中になる気持ちがあったのでは?ということに気付きます。
子どもの成長などが良い例ですが、私たちも小さい頃は「世界を何も知らない」からこそのワクワク感や無鉄砲さがあったと思います。
それが大人になり、いろんなことを経験し学んでいくうちに、何が楽で何が苦しいかということを推測できるようになることで、リスクを避け、心地よい範囲で活動することが可能になります。
このような生き方は、ストレスも少なく、心身ともに健康的に過ごせる一方で、成長の機会をなくすだけでなく、社会の変化に対応していくことが難しくなってしまうという事態も招きがちですよね。
大人になることって喜ばしいことではあるんですが、そんな中にもデメリットもあるということです。
咲也たちもまた、演劇についてある程度の経験とスキルを有している大人の状態です。昔の無鉄砲さをそのまま体感することは非現実的かもしれません。
だけど、経験者なりに初心者になることができるとしたら…?
それは心地よい範囲を飛び出すこと。つまり今回咲也たちが実践した「新しい挑戦」に他なりません!
私たちが知っている世界の範囲外にも、たくさんの世界があります。そこで知らない経験をすることで、私たちは初心者に近づくことができる。
つまり、何年目あろうと、何歳であろうと、子どものように成長することができるということを、彼らは教えてくれています。
ヘーゲルの弁証法哲学をヒントに考える
ここでひとつ、19世紀ドイツの哲学者ヘーゲルについて簡単にご紹介しましょう。
彼は「世界は対立と統合を繰り返しながら発展していく過程である」という弁証法哲学を残した人物で、世界に大きな影響を与えた哲学者です。
弁証法と聞くとなんだか難しそうなイメージがありますが、対立する命題(肯定と否定)を統合してより高い次元の知恵を導き出すという思考の方法のことです。
例えば、
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肯定: 猫はかわいい。
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否定: 昔は猫は害獣とされていた。
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統合: 猫の地位は、生活や文化の変化とともに変化している。
といった感じで異なる意見が対立することにより生まれる新たな視点が「統合」となるんですね。
肯定や否定は、ある特定の視点や価値観に基づいた偏りのある意見であることが多いですが、統合はそれらの対立する視点を整理して、より客観的な結論を導き出すといったことが可能になります。
ヘーゲルは、弁証法的に世界は常に変化し続けていると考えていました。
例えば、物事は良い状態(肯定)から悪い状態(否定)に変わったり、その逆も起こります。
しかし、ただ単に良い状態と悪い状態が繰り返されるのではなく、その2つの対立の中から新しいもの(統合)が生まれ、発展していくと考えたのです。
それぞれの挑戦:七尾太一の場合
このヘーゲル哲学を今回のメインストーリーに応用して考察してみましょう。
ヘーゲルは私たちの世界全体について論じましたが、私たちの身の回りにある組織だって世界の縮図ですから、同様に考えることで見えてくることがあるかと思います。
MANKAIカンパニー24人のキャラクターそれぞれが何かしらの「新しい挑戦」をし、公演に向けて成長していく様子はメインストーリー全体で描かれています。
その挑戦は本当に人それぞれで、咲也や椋のように舞台に関する挑戦もあれば、真澄のビジネスへの挑戦、臣の社会貢献への挑戦…など、その挑戦は十人十色です。
しかし、その挑戦のほとんどには共通点があります。
それは、困難を伴うけど不可能ではないこと。無謀な挑戦ではなく、現実味があります。
具体例として、今回は太一の挑戦を例として挙げて検証してみましょう。

元々お芝居の経験があり、スキルもある程度備わっていたけど、ACT1当時は精神面が追いついていない印象のあった太一。
かつては目立ちたい、認められたいといった気持ちが先攻してしまい、仲間を裏切る行為をしてしまったということもありました。
しかし、MANKAIカンパニーでの様々な経験を通じて、徐々に精神的にも自信がつき、かつて諦めてしまっていた「映像作品で主演がしたい!」という夢に再び挑戦することを決意したわけです。
過去の太一は、“周りと比べて自分がどうであるか”という一つの視点に気を取られてしまっていました。
他人と比較した自分という視点しかないため、天馬のようなスターを眼の前にすると自分は劣っているのだという考えしか生まれず、諦めてしまうことになります。
これは食べ物に例えたら、「どのくらい美味しいか」ばかりに気が取られてしまい、「どんな味か」を知らないようなものですよね。
太一はこの劇団に入るまでは、自分がどんな味なのかをほとんど知らなかったと思います…。
でも、今は違います。自分の演技に真摯にフィードバックをくれる仲間、そして役に出会い、七尾太一はどういう役者であるか?という自分の価値をしっかりと見られる視点を持つことができました。
この挑戦でとても良くわかるのは、太一が自分の芝居について徹底的に分析していることです。
かつて必死にカンフー道場に通い詰めていた頃の太一から想像できたでしょうか?本当に自己分析がすごい。



そんな今だからこそ、映像作品という違う領域にチャレンジしても自分をアピールできるかもしれないという、根拠が伴う説得力が生まれています。
今回太一が「ノンバーバルでコミュニケーションをする役のオーディション」を選んだことも、自分の味が最大限に活かせると踏んでのこと。
かつて「注目されたい!」一辺倒だった頃の太一に、「自分は派手な存在感が出せない」という弁証法で言うところの否定が入ったからこそ生まれた、新たな知恵ですよね。
先に私がこの挑戦を、困難を伴うけど不可能ではないと言いましたが、こうして自分のお芝居や置かれた状況を客観視できているから、可能性を見いだして進歩できているのではないでしょうか。
今回は太一の例を挙げましたが、他のキャラクターもこうした観点で見てみると面白い発見がありそうです。
いずれにせよ、何度読んでも応援したくなる、そして一緒になって喜べる、素晴らしい挑戦ですよね!
ミネルヴァのフクロウは迫りくる黄昏に飛び立つ
ここで再びヘーゲルの話に戻りますが、彼の有名な言葉に「ミネルヴァのフクロウは迫りくる黄昏に飛び立つ」といものがあります。
ミネルヴァのフクロウというのは、ローマ神話の女神ミネルヴァが片手に持っているフクロウのことで、知恵の象徴とされています。
そして黄昏とは1日が終わろうとしているときのことです。(時間で言うだいたい18時頃ですかね。)
この知恵の象徴であるミネルヴァのフクロウが黄昏に飛び立つというのは、1日を俯瞰して振り返れるようになった黄昏時にこそ、新たな知恵が生まれるということです。
ACT4におけるそれぞれの挑戦も、これまでのことを振り返りその概念的な意味を各自が客観的に捉えたあとだからこその結果だったのではないでしょうか。
この期に及んでるからこその、7年目ならではの面白さの要因もここにあるのではないかな、と私は思います!
それぞれの挑戦:筆者の場合
そして、個人的な話にはなりますが…冒頭でもお話した通り、この秋から通信制大学に編入しました!
自分の仕事もそうだし、このブログも、長年続けているからこその「慣れ」が確かにあった中で、ふと「あ、大学に行こう」とアイディアが降りてきました。
これも私がAIと一緒に自分の人生の振り返りをしていた、というのが大きなきっかけになったと思います。
私は幼少期からなんだかんだ学ぶことが好きでしたし、特にその中でも表面的に見えない法則性とか、物事の意味を深く考えることが好きだったなぁと改めて気が付いたんです。
まさにこのサイトでやってきたことはその現れですが、たくさんの経験を歴た今、この期に及んでいる今だからこそ、さらに学べるものがあるのではないかなと考えたわけです!
大学では哲学を専攻しています。
今回の記事でヘーゲルの哲学を参考に執筆を行ったのも、そんな理由からでした。
高校の倫理の授業でやったっきり、ほとんど哲学のことはわからなかった私なので、講義についていくだけでもすっごく大変です…。
それでもこの3ヶ月のことを振り返ると、少しずつ知識や考える力がついてきているなって思えるんです。
まだまだ、私の道はまだまだ始まったばかり。険しい道のりでもあります。
だけど、これまでの人生で多くを経験してきたからこそ、今の私だからこそできることがきっとあるんじゃないかなと思って、コツコツ地道に頑張っていきたいと思います。
まとめ。
「挑戦したいことなんてない、挑戦なんて今さらできない」と思ってしまう人は多いと思いますが、それは皆さんが挑戦できない人なのではなく、「今の自分に何ができるか?」を知らない状態だからなのかもしれません。
A3!ACT4は、こうして分解して概念を捉えてみると、大人だからこその、熟達者だからこその挑戦という、高次の挑戦があるということを教えてくれました。
ちょうど年の瀬ですし、1年を振り返り、今年の出来事にどんな意味があったのかを考えてみるのも良い機会かもしれません。
そして来年もマイペース更新ではありますが、勉学と並行して記事の執筆も行っていきたいです!
大学で小論文を書きまくっているので、文章力がアップするといいな…という願いも込めつつ。皆さん良いお年をお迎えください!















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