キャラクター分析ツールとしてのMBTI その光と影

こんにちは。
毎日暑くて気が滅入りそうですがいかがお過ごしでしょうか?
A3!ではひと足お先に秋の訪れ。秋組の新メインストーリーが解禁されましたね。
現実でも秋が待ち遠しいです…いい加減暑すぎるよ!

先日は、これまで多くの読者の方に支持されてきたMBTIをはじめとする性格類型論を使ったキャラクター分析の取り扱いをやめて、新たなスタートを切ることを前回のブログでお話しさせていただきました。
それを受けて様々なメッセージをいただき、より詳細に皆さんにお伝えしようと思い、今回のブログのテーマとさせていただきました。

▼サイトリニューアルに関する記事はこちら

近ごろのMBTIの事情を見てわたしが考えたこと

16タイプ理論は両刃の剣である

そもそも筆者が16タイプ理論を使用してキャラクターやゲームの考察を書こう!と思ったのは、シンプルで大ざっぱな特徴がわかるという点が読者にキャラクターの魅力を伝えるために良いツールだ、と思ったからでした。
そしてこのようなアプローチで特定の作品の深堀りをしているブログメディアというのはとても珍しいということもあり多くの方に楽しんでいただけるようになりました。これは、16タイプ理論がわかりやすく素晴らしいツールであるというのが一因かと思います。

その中で時代とともに特にMBTI診断等16タイプ理論の知名度がどんどん上がっていきました。
今では若い人たちを中心にブームになり、日常でもMBTI等に関する話題を耳に挟んだり、XやTikTokでもMBTIに関する投稿をよく見かけるようになりましたよね。
これは若者が自己分析に興味関心を抱いた結果なんじゃないの?と、良い傾向かのように見えますが、流行の現状を鑑みて「なんだか一概にそうともいえない」というのは、おそらく当ブログを熱心に読んでくださっていた方なら、お察しいただけた方も少なくはないと思います。

MBTIのよう類型論による性格診断は自己理解や他者理解に一役買う素晴らしいツールである一方で、「◯◯タイプの性格は好きじゃない」といった先入観や、特定の性格タイプを誇張して悪く伝えるような偏見を生む原因にもなる可能性も孕んでいます。
便利で素晴らしいツールは、取り扱いに十分な配慮が必要な両刃の剣です。当ブログでもこのことを繰り返しお伝えしてきました。
身近にあるものの最たる例は「火」でしょう。暖を取ったり食べ物を加熱したりと便利な面がある一方で、制御できなくなると建物や森林を焼き尽くし多くの生命や自然を奪ってしまう恐ろしい側面を持つものでもあります。
何事も便利なものというのは火のように慎重に使う必要があります。
そして難しいのは、情報は目に見えないため火のように直接的に危険性を感じにくいということです。

「簡単でわかりやすいMBTI」がSNSによって思わぬ結果に…?

近ごろ皆さんもSNSでこんな投稿を見かけたことありませんか?

  • 「性格の悪いMBTIタイプランキング」のような特定のタイプがネガティブな評価を受けているもの
  • 「ENFPは夢見がち」「INTJは冷たい」といった特定のタイプの行動が誇張され欠点のように扱われているもの
  • 「◯◯タイプはこうだ!」と決めつけて、個人の多様性を見ようとしない

これらの現象は、各タイプの心理機能などのMBTIの理論そのものがよく理解されていないことと、各タイプの極端な特徴だけが強調されて曲解されていることが原因だと考えられます。
先ほどもお伝えしたようにMBTIは16種類のタイプに分類されるというシンプルでわかりやすい特徴から、SNS上で短くキャッチーな情報として広まりやすかったのでしょう。
これまで分析してきたA3!のキャラクターを見ても、人間ってそもそも複雑です。タイプってあくまでも「傾向」「方向性」なのであって、複雑な人間を単純化して捉えるものではないんですね。
タイプはあくまでも「傾向」であり、性格のすべてを説明できるものではないことを理解することが大切だと感じます。
また、心理機能を理解することでより深い理解につながると考え、当サイトでも心理機能の説明をしっかりすることを心がけ、皆さんに楽しく読んでいただける努力を続けてきました。

しかし、SNS上での誤解の広がりはとどまるところを知らず、特定のタイプに対する誤ったイメージが定着し続けています。
すなわちこれが意味をするのはキャラクターのイメージ低下に繋がる危険性があるということです。
例えば「INTJは冷たい」というステレオタイプが広まっていたとしたら、INTJタイプのキャラクターは冷たいというレッテルを貼られたまま解釈されるおそれがあるということです。
私が伝えたいのはキャラクターの人間性の深み。そしてそれによって作品の魅力を知っていただき、より作品を楽しんだり更には読んでくださる方がキャラクターや物語からよりパワーをもらって強く生きてほしい――それだけは運営当初から譲れない、私の想いです。
今まで書いた記事を非表示にするのは後ろ髪を引かれる気持ちがありましたが、そういった経緯から当サイトではMBTIの取り扱いを休止することにさせていただいた、というわけです。
キャラクターと作品のために最大の敬意を払った選択として、どうかご理解いただければ幸いです。

「コペルニクス的転回」は第2章に突入です!

なんだかシリアスな話していたのに、突然ポジティブな見出しになりましたが(笑)
サイト名である「コペルニクス的転回」の通り、従来の方法を見直して新しい視点から物事を捉え直し、ここから新たなスタートです!
「ノアの箱舟」でも新しい世界を創るために一度既存の世界を壊したように、ここからは当サイトのACT2のはじまりです!

今後の展望とか予告とか。

リニューアル記事にも書いた通り、これからは更に多角的な視点からキャラクター分析をしようと思っています。
その中でも、人間の性格を5つの主要な次元で捉える心理学のモデルで、神経質性、外向性、開放性、協調性、誠実性の5つの因子から構成され、より客観的で多角的な性格分析ができる「特性5因子(ビッグファイブ)」を分析ツールの中心としていく予定です。
その他にも、自分の行動や言動を状況に合わせて調整する能力である「セルフ・モニタリング」の観点での研究など、ひとつのツールだけに囚われず柔軟に展開してまいります。
心理学の視点だけでも一般的に知られた情報よりもっと多くの役立つ楽しいツールがたくさんありますし、これまで同様に心理学という領域には囚われずに楽しく役立つ知識をたくさんお伝えしていけたらいいです。

先にもお伝えした通り、当ブログは倫理的な発信を心がけ、読んでくださる方はもちろんゲームに関わる企業やご関係者さま、そしてキャラクターたちにとっても有益で価値がある記事を発信をしていきたいです。
突飛な選択に感じられる方もいらっしゃるかもしれませんが、時代の変化に合わせて柔軟にスタイルを変えていくことも、変化の多いこの時代には特に重要なことだと私は考えています。
今までやってきたことを活かしながらも、変化しながら物語を進めていく。
永遠なんてないからこそ、現在と未来を見据えてこれからもゆっくり歩んでいこうと思っております!

最後に。

ご紹介してきた通り、16タイプ理論は慎重に使用することが大切ですが、素晴らしい可能性を持ったツールです。
現在の社会的な状況を鑑みて当サイトではキャラクター分析としての取り扱いを休止していますが、理論自体が悪いわけではありませんので、今後も話題に出したりすることはあるかと思います。
皆さまも、情報が本当に正しいかどうか、誰かにとって不都合な情報ではないかを慎重に考えたうえで、これからも前向きかつ有益な方法で16タイプ理論を楽しんでいただければ嬉しいです。
皆さまからも何か感じたことがあれば、お気軽にご意見いただければと思います!

最後に、長年にわたり分析記事を楽しんでくださった読者の皆さまに心から感謝いたします。
本当にありがとうございました!
そしてこれからも、当サイトをよろしくお願いいたします。

※アイキャッチイラストは、AI画像生成ツール「SeaArt」を用いて作成しております。著作権法上の問題が発生する可能性があるため、無断での複製、転載、二次利用はご遠慮ください。

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