こんにちは!
先月iPhone11を買ったのですが、最近はiPhone11での写真撮影にハマっています。
普段通るなんでもないような道もiPhoneのレンズを通して見るだけでまるで化粧をしたかのように鮮明で煌びやかな世界に見えてしまう!というところが気に入っています。
でも実際、その「なんでもないような道」の魅力というのは私が見ようとしていなかっただけでレンズなんて通さなくても初めから魅力的だったんだと思うんです。
ただ、それを私に「見よう」という気持ちにさせてくれるiPhoneという存在はたいへん素晴らしいと思いました!
10万円の価値はあります(笑)

さて今回は少しデリケートな話題でもありますが、こんなテーマです。

「エーステ」を見て感じた2.5次元の価値

2.5次元について興味のある方ない方さまざまいらっしゃるかと思いますが、今回はその賛否両論を踏襲し2.5次元にはどのような価値があり、観衆の心を動かしているのかというところに着目してレビューをしてみたいと思います。

MANKAI STAGE『A3!』って?

当サイトにて取り扱っているA3!は、ゲームアプリを中心としたメディアミックス作品です。
メインシナリオライターのトムさんが担当されているノベライズ作品や、コミカライズ作品、そして来年にはアニメ化も決定しています。
そんなメディア展開のひとつとして、こちらのミュージカルがございます。

現在は夏組の第二・三回公演の単独公演が終わったところで、次回の秋組単独公演も控えているそうですね。
詳しくはオフィシャルサイトをご覧ください!




 MANKAI STAGE『A3!』 SPRING&SUMMERのDVDを鑑賞しました

率直な感想

この公演の内容は、メインストーリーの1幕&2幕をダイジェスト的になぞったものです。
俳優さんのファンでA3!のストーリーを読んだことがない…という方にはなかなか物語の良さが伝わりにくい構成かもしれませんが、ストーリーを読んで内容を知っている方にとっては端的にストーリーをおさらいできる作品になっていると思います。
もし舞台だけを観劇しているという方がいらっしゃったら面倒でもアプリをインストールしてストーリーを読んだほうが5倍は楽しいでしょう…(笑)

そして役者さんもほぼ新米役者さんといったようなフレッシュな方が多いです。もちろん左京役の方や天馬役の方のように、それなりのキャリアがある役者さんもいらっしゃいますが。

とは言え全体的に言えば、正直に言うと粗削りな部分は目立つのは否めません。
しかし、そもそも2.5次元に演技や歌唱のスキルを求めるのも違うような気がします。(役者さんらがスキルアップのために日々努力を重ねているのも重々承知ですし、その過程を追うのも醍醐味だと感じます!)

つまり、2.5次元にはスキルなどでは補うことのできない「何か」があるということでしょう。

アプリ版と舞台版との違い

では具体的にアプリとどのような違いがあると感じたか、簡潔にまとめてみます。

キャラクターの印象

ゲームでのキャラクターの印象に限りなく近く演じようとしている役者さんもいれば、多少のオリジナリティのある役者さんもいらっしゃいました。

本作では監督が出演キャラクターに含まれておらず、観客=監督という体でお話が進んでいるようでしたので、アプリのストーリー内での監督のセリフは支配人や咲也に引き継がれていました。
ここが非常に面白いポイントなのですが、アプリのストーリーだと強い意志を持ちながらも控えめで思慮深い印象の咲也ですが、いづみのセリフを彼が言うことでその控えめな印象が薄まっているんですよね。
もちろん役者さんご本人の意向もおありかとは思いますが、少し言動が変わるだけで印象が変わるというのは非常に興味深いものです!

特にセリフの変更がない天馬や綴もアプリとは少し違う印象がありました。
シビアな言い方をすれば「キャラを掴めていない」とも言えてしまうのは否定しませんが、これは見方を変えれば「キャラを役者さんなりに咀嚼した」とも取れるので決して悪いことではないと思いました。

もちろん、ゲームでのキャラの印象に極力近付けるように演じる役者さんだって悪いことではないと思います。

新たな視点から見えるものがある!

例えば、1幕の前半にて真澄が稽古の進捗状況が思わしくない春組に対して厳しい言葉で突き放すシーン。
このシーンはゲームで見ていると真澄が協調性なく辛辣な印象に感じられる方もいらっしゃるかと思うのですが、舞台で見ると不思議なことに正義のヒーローかのように感じてしまったりとか、そんな現象が起きます。
もちろんこのシーンに限った話ではないのですが、あまり話しすぎるとネタバレになってしまうので控えます。。

なぜこのような現象が起きるのかというと、ひとりひとりが変わりばんこに登場してセリフをしゃべるアプリとは違って、その時のその空間の状況がリアルに再現され、我々はそれを俯瞰で見ることができるからだと思うんですよね。
カメラで例えると、アプリは望遠レンズで舞台は広角レンズといったところでしょうか…もちろん見方によっては望遠レンズ的にキャラクターをクローズアップしたような視点も持てるのかもしれませんが、舞台の特性としてこの広角レンズの視点で全景を眺めることができるというのが醍醐味だと思いました。

実際にこの春組のシーンの真澄の活躍が際立ったのは、稽古をしていた他のメンバーがこちらがハラハラするほどに心配な出来なのが具体的に目に見えて分かったからです…!
もちろんストーリーを見ていてもこれはわかることなのですが、より具体的に「見て分かる」というところがポイントだったのだと思います。
真澄みたいに厳格に振舞える子が場の空気を締めなかったら、旗揚げ公演の成功は絶対になかったと思います…つまりMANKAIカンパニーも続かなかったということですね(笑)

このようにアプリ内のストーリーでは見えづらかった部分がより鮮明に見えてくるような場面があるのも面白かったです。

もちろん、短い時間の中で春組と夏組の公演をしなければならないので端折られてしまったりした勿体ない部分もあります。
「違い」というのは良くも悪くも捉えられるもので、それを良しとするか悪しとするかは観た人次第ではあるのですが、私はゲームとの違いを考えたときにこんなことを思い出しました。

『ナイラン』に学ぶ、2.5次元のさまざまな価値

原作のA3!でも2.5次元作品を演じたことがありましたね。
そう、至主演の『Knights of Round IV THE STAGE』です。

このストーリーで至は「いかにゲームのキャラクターを完璧に再現するか?」ということに神経を注いでいましたが、ゲーム監修の星井さんからは「それじゃあわざわざ舞台化する意味がない」と言われてしまいました。
もちろん原作に忠実に演じるというのはとても大切なことです。
キャラクターを作った人はそのキャラに目の色や髪の色、そして生まれ持った性格、過去の経験といったさまざまな要素を与え命を吹き込んでいますから、それらを大切にして欲しいと私は思います。(キャラクターには誰しも意味がある)
でも舞台って、「誰か が 誰か を演じる」という概念で成り立つものなのです。
キャラクターと我々との間が直接取引をするようなゲームとは違い、役者さんというエージェント(仲介人)が間に入るのですから、それ相応の価値を提供しなければならない—―という星井さんの考えは評価されるべきものなのかもしれません。

2.5次元ならではの価値を体現した皇天馬

それを考えさせられた最もたるきっかけとなったのは、エーステの天馬でした。
演じているのは陳内将さんという役者さんだそうです。
ざっくり言うと、正直ゲームの天馬に忠実か?と言われたら、決してそうではありません。(顔や背格好は似ていますしかっこいいです!)
咲也らと同様に「ゲームと若干印象が違ったキャラクター」の一人ということです。
天馬にしては感情が表に出すぎていましたし、内なる情の厚さを少々大げさに表現しすぎているような、そんな印象でした。熱血っぽく見える…のかな?

私はDVDを鑑賞するまでは「アプリでのキャラに忠実な役者さんを評価すべき」だと思っていました。
なのでゲームに忠実とは言い難い天馬は本来評価できない人物なわけなのです。
でも私は不思議と、この天馬をとても素晴らしいと感じてしまったのです…!!

きっとこれこそが2.5次元ならではの価値なんだと思いました。
私が見たのはゲームの皇天馬ではなくて、役者・陳内将さんの人生を乗せた皇天馬だったんだなと思いました。
ゲームに忠実ではないながらも、彼の天馬にはとても説得力がありました。
もしかしたらこれは賛否両論あることなのかもしれませんが、そこにいるのは天馬半分・陣内さん半分といったような、とても役者さんの感情や価値観などが出ているのです。
ただゲームを忠実に再現するだけでは見られなかった、新しい天馬の姿がそこにありました。
陣内さんという人物を通して見る天馬が見えたということです!
私にはそれがとても新鮮で興味深く、このDVDを見てよかった!と思えた理由にもなりました。

もちろんご本人が意図してやっていることであるのかどうかはわかりません。
ゲームをたくさんプレイして、天馬のことをたくさん考えて大切に演じられているというのも分かります。
それでも滲み出てくるものなのでしょうか…お芝居にはあまり明るくないのでよくわからない部分でもありますが、絶妙なハイブリッド具合なのです(笑)

私は彼の天馬をたいへん魅力的だと感じましたが、皆が皆そうとは限らないとも思います。
2次元から抜け出したような忠実な再現を望む人も少なくはないでしょう。
ただ、「舞台」というゲームとは違う方法で表現するということは、そこに関わるたくさんの人間の色や模様というのは必ず反映されるものです。
2.5次元のそういった原理の部分に目を向けると、また違った見方ができて、なんとなくニガテ意識を持っていた方も楽しめるようになるのかもしれません。

総括

いきなりですが、私はEDM等のクラブミュージックが好きです。
そのEDMの魅力のひとつに「リミックス」というものがあります。
あるDJの作った曲を別のDJが自己流にアレンジして現場で流すのです。カバー曲のようなものですね!
クラブシーンではそれがとても日常的に行われています。

今回ご紹介した2.5次元…というのはこの概念に似ているなぁと思いました。
元曲をリスペクトしているからこそその曲を現場で流したいと思い、場の雰囲気や長す曲の傾向に合わせてアレンジをする…
リミックスも2.5次元作品も、エージェントとなる人間の個性が見えてたいへん興味深いものだなぁと感じます。
その個性を是と思うか非と思うかは人それぞれだとは思いますが、それを含めて2.5次元というものも魅力的なコンテンツだなと気付くことができました!

2.5次元が好きな方も苦手な方も様々いらっしゃると思います。
私も別にハマったというわけではなく、これはこれで一興だなと気付いた程度にすぎません。
まだまだ私の知らない魅力をたくさん内包しているコンテンツなんだと思いますので、皆さんが思う2.5次元の魅力や、逆にニガテだと思うポイントなども教えていただけたらなぁ~と思います。

秋冬のDVDもぜひ見てみようと思うので、そちらも楽しみです!

 




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ABOUTこの記事をかいた人

「あなたの日常に、コペルニクス的転回を」をコンセプトに、独自の視点で情報発信をしています。 取るに足らないようなありふれたコミュニティーやカルチャーの研究、分析など。