※2019/7/10 記事修正いたしました!
1つ前の記事を少し修正させていただきました。日本版の表現に合わせて「アイデンティティタイプ」と記載していましたが、原典の表現に合わせ「戦略タイプ」とさせていただきます。(16personalitiesの本拠地はロンドンみたいですね)
今までこちらの理論に関しては日本版のものしか拝見しておらず版のものを最近はじめて読んでみたのですが、今までなぜ私はこれを読んでいなかったんだろう…とものすごく反省しました。
しかし自分自身で違和感に気付き、自分自身で探求し結論に導く…そして自分自身の過去の失敗には自分で責任を負う――このプロセスは私にとってたいへん心地の良いものだと感じました。
というわけで今回の記事では「戦略タイプ」についてさらに深く掘り下げていきたいと思います!
前回の記事は私は戦略タイプ論を理解するきっかけのプロローグ記事のようなものですが、こちらも読んでいただければさらに理解が深まるかもしれません。
さて冒頭でお話した通り、この戦略タイプ論は日本版の16Parsonalitiesでは「アイデンティティタイプ」と訳されています。確かに戦略タイプ論は「アイデンティティ」の問題なのですが、アイデンティティという概念そのものが、世間一般的に少々理解するのに難しく感じる表現かもしれないなと私は感じました。
そしてこれは「自己主張型・慎重型」という表現にも適用されます。
ニュアンスとしては確かに間違ってはないのですが、アイデンティティがなぜ・どのような理由で?自己主張型と慎重型に分けられてしまうのかという「Why?」の部分がすっぽり抜けていますよね…。
日本版も早急に理論の中身の記事をアップしていただきたいところではありますが、、、現在の日本版16Parsonalitiesの翻訳があまり上手ではないのは皆さんもわかるかと思いますので、期待もできません…(笑)
ということで私が一肌脱ぎましょう!という魂胆です。
やさしい「戦略タイプ論」にゅうもん
参考出典:16Personalities
戦略タイプとは16のパーソナリティタイプ論(MBTIなど)で示された「性格タイプ(性格のクセ)」をどのように捉え、どのように運用するかという自分の経営方針を示したものです。
資産運用に例えるとたいへんわかりやすいですが「資産(金銭・土地・家屋など)」にあたるものが性格タイプであり、その資産をどのように働かせるかという「運用方法(貯蓄・投資など)」の部分が戦略タイプということです。
これをもっと実際的に言うと「人生の中でどのような目標を設定し、その目標を達成するために自分はどのようなやり方をしているか?」ということが戦略タイプで示されているということです。
なお、この戦略タイプも性格タイプと同様に本人が容易に自覚できるものではなく、潜在的なものです。
実際に自分が逆のタイプの戦略を試してみて失敗をしたり、違う戦略タイプを取る他者と関わりあうことで、ようやくわかるようになることがほとんどです。
これはすべての性格タイプに掛け算のように適用します。
(性格タイプ)×(戦略タイプ)=パーソナリティー
このような方程式になります。戦略タイプは掛け算で言うところの「かける数」なので、必ず「かけられる数」である「性格タイプ」を前提に話が進められます。
算数の文章問題で「たかし君はみかんを1日に2つずつもらまいました。5日後にはたかしくんのみかんはいくつになっているでしょう?」という問題が出たとすると、このみかんにあたるのが性格タイプで、1日にもらえる数が戦略タイプ。
ですから同じ戦略タイプだからと言って同じ性格になる、とかではないのです。
当初「至と真澄って同じタイプだったの?!びっくり!」「千景さん、丞と同じタイプだったんだ~!」などというご意見をいただきましたが、同性格タイプなのに違った印象として映っているのは戦略タイプ(自分の売り出し方)が異なるからです。
同じ資産でも投資やギャンブルなどでリスクを取って増やすような生き方もあれば、貯蓄をするようなローリスクローリターンな生き方もあります。(※戦略タイプを資産運用に例えた表現です。戦略タイプの特徴が実際のお金の使い方に結び付くわけではありません)
では、さっそく戦略タイプについて見ていきましょう。
大きく分けると2タイプあり、その下に外向型・内向型で分けた2タイプの計4タイプがございます。
Assertive(アサーティブ):独断型
まずISTP-Aなどの『-A』で表されているアサーティブタイプです。
日本語訳としては独断型が最適な表現かと思われます。
ストレスに強くブレのないタイプです。
独断型の経営戦略は「自分で舵を取ること」です!肝の据わった情緒安定型タイプです。
独断型が何かしらの目標を達成しようとするとき、小さく些細な不都合に惑わされることがありません。
個人の価値には自信を持っており、社会に求められることでなく「自分の価値観で決めた目標」を達成しようとします。*1
とても自己が鍛えられており、雑草魂があります。
行動や言動には一貫性があることが特徴です。
とても信頼できる、かっこいい人たちです。
独断型の戦略タイプの心理機能への作用は、タイプの主機能の印象を強化させます。
例えばNeはより本質的で論理性を持ち、Fiはより内なる感情を内に保護します。
独断型の大きな特徴は「人々こう言うけど、あくまでも私はこう思う」という独立的スタンスであることです。孤独であることを敢えて選ぶ人たちです。
さらに独断型内でも外向/内向で2つのタイプがございます。
操縦者タイプ-People Mastery-(外向型 × 独断型)
A3!キャラクター例:立花いづみ、シトロンなど
独断型(Assertive)の戦略を持った外向型(E)タイプは根性のある勇敢なチャレンジャーです!
風林火山の火のような存在。「侵掠(しんりゃく)すること火のごとし」一本筋の通った意志に乗っかり、人生の目的を自分の責任で達成していきます。
同じ外向型の成功者タイプ(外向型×乱流型)は社会的な承認を必要としますが、操縦者タイプは自分の意志が折れないように支えてくれる人さえ居てくれれば社会的承認は必要としません。
操縦者タイプは主体性を持った行動を行うことに快適さを感じています。
探求心を満たすために社会的接触を求め、そこで堅実なコミュニケーションスキルを身に着けます。
勘違いされがちですが、これは「人に好かれる能力」ではなく「適確に意思を伝え、適確に相手の発言を受け取る能力」のことです。
また、言動や行動に一貫性があるため、芯のしっかりした印象を与えます。
彼らは自分で決めた目標達成のためだけにおいてストイックになることができます。
明確な意思と責任感があるため、人を先導したり、まとめ役・調整役になるなど「人を動かす*2」ことにおいて優れた力を発揮することができます。
成功者タイプ(外向型×乱流型)のように、リーダーの職務を全うすることが目的にはなっておらず、あくまでも「自分の目的を達成する」を掲げているので、自然と賛同者に支えられたり人がついてくるようになることが多いでしょう。操縦者タイプはこの恩を忘れてはいけません。
この操縦者タイプは根拠のない自信を振りかざすプライドの高い「強がりさん」ではありません。
飽くなき探究心からたくさんの厳しい世界を見てきており、その知識と経験に裏付けされた「自尊感情」に由来しています。
ストレスに強い独断型×外の世界へ意識が向く外向型の特徴を持った彼らは、それ故に厳しい現実もたくさん知っていますし、その厳しい現実にも負けず這い上がってきた人だからこその強さがあるのです。
日本では同じ外向型でも成功者タイプと比べると比較的人口が少なめの傾向にあるようです。
熟達者タイプ-Confident Individualism-(内向型 × 独断型)
A3!キャラクター例:斑鳩三角、高遠丞など
独断型(Assertive)の戦略を持った内向型(I)タイプは腰の据わったエキスパートです!
風林火山の「山」のような存在。「動かざること山のごとし」な強固な意志を持っている「ブレない」人です。
【熟達者】とは特定の分野への知識や技術に長けたエキスパートのことを言います。
このタイプは誰かに認められるためでなく、自らの意志で一つの物事を極めていくので、世間一般よりも深い知見を持っています。
操縦者タイプと同様にストレスに強く雑草魂があります。ちょっとやそっとでは折れません。
無理に他者の意見に擦り合わせることもないため、自分の興味関心について深く探求することや、一つの仕事を根気強く続けることも得意です。
交友関係があまり広くないタイプが多く、コミュニケーションの幅は比較的限定されます。
自分が心から本当に評価し認めた仲間にのみ心を開きコミュニケーションをすることを好みます。
彼らは社会に馴染めない除け者というわけではなく、自分の関心ごとの追求のために孤独を受け入れる強さを持っているのです。
しかし彼らが信頼した仲間に関しては正直で強固な愛情を持っており、非常に仲間思いです。
熟達者タイプは独自の感性を持ちそれに自信を持っているユニークな人々ですが、それを世間に公表したり誰かに認められたりすることには興味を持っていません。
他者から賞賛される必要性を感じることがないのは、自分自身の知識や感性に自信を持っているからです。
同じ内向型である専門家タイプ(内向型×乱流型)は、熟達者とは違い専門家という「職業」です。専門家を名乗るには「それで生計を立てている」ことが必要です。(社会から金銭と言う名の承認をもらっている)
一方で熟達者タイプはそれを職業とする(社会的承認をもらう)必要性を感じません。
ストレスに強い独断型×自分の興味関心に向く内向型の特徴を持った彼らは自ら社交場に赴くことは少ないため、仕事や学校以外の場でお目にかかることは少ないかもしれません。
日本では同じ内向型でも熟達者タイプは専門家タイプほど人口が多くはありません。
Turblent(タービュラント):乱流型
次にISTP-Tなどの『-T』で表されているタービュラントタイプです。
日本語訳としては乱流型が最適な表現かと思われます。
ストレスに弱く、デリケートなタイプです。
乱流型の経営戦略は「社会と調和すること」です!
独断型の経営戦略が独立的だったのに対し、乱流型は社会的承認を気にするぶん平和的でニュートラルな印象があります。
独断型に比べてデリケートでありストレス耐性が高くはありません。
しかしその分たくさんの感情を経験しており、それが社会への友好的な態度に繋がっています。
そして乱流型は完璧主義の傾向があり、自身の問題の改善のために努力をすることができます。
独断型のような根っこのユニークさがないぶん、社会的な成功や自身の改善を目指し地道に努力を重ねるため、人にに評価されやすいです。
社会に認められる存在であることに満足する性質を持つため、幅広い努力をし力をつけ社会に貢献することができます。
乱流型の戦略タイプの心理機能への作用は、タイプの主機能の印象を緩和させます。
上昇と下降を繰り返す波長のような反応です。
Seでありながらも物憂げであったり、Fiでありながらも明るく振る舞ったりします。*3
しかしこれはあくまでも社会の中で生きていくためにしている振る舞いであり、彼らの根本的な本質とは違います。
「本質を緩和する性質を持つ」とは、彼らの本質が揺れ動いているから印象がハッキリせずに見えるのです。
ピントが合った写真が独断型なら、ぼかしがかった写真が乱流型というわけですね!
乱流型の特徴は「自己意識的である」ということです。
社会とバランスを取る特徴から外に意識が向いているのかと思いきや、乱流型の特性は自分の内面に意識を向けさせています。
それもそのはず、社会とのバランスを取りたい彼らは自己を強く意識していないとバランス調整ができないからです。
これは下記でご紹介する2つのタイプどちらにも共通します。
成功者タイプ-Social Engagement-(外向型 × 乱流型)
A3!キャラクター例:古市左京、有栖川誉
乱流型(Turbulent)の戦略を持った外向型(E)タイプは、とても社会性のある努力家です!
風林火山の「風」のような存在。「疾きこと風のごとし」な俊敏な行動力を武器に社会のあらゆる出来事に対応していきます。
この戦略タイプを成功者タイプとしたのは、操縦者と違って「社会承認を得ること」が彼らにとって大切だからです。
外向型の気質に対し、乱流型の戦略は相反します。
興味関心が広く外へ向かいリスクを取ることや大胆さにつながる外向型でありながらも、乱流型の自己意識的な戦略が外の世界に自身のなさや恐怖を感じさせるのです…!
ですから成功者タイプは強烈なプラスの感情とマイナスの感情を行き来することになります。
乱流型の特徴であるストレス耐性の低さは成功者タイプに危機回避能力を与えます。
繊細な精神を災難や不測の事態から守る機能が備わっているため、これらに衝動的に対処することができます。*4
成功者タイプはこの危機回避能力を発動することにより、根本的な本質に対して誇張した反応を無意識的にすることが多いとされています。
これは「虚勢」や「空元気」という表現しかあてはまる日本語がありませんが、乱流型にとってこれは決して悪いことではありません。
外の世界への恐怖心がある成功者タイプですが、極的に外の世界と関わりを持ちたいと考えています。
それは外の世界とかかわることで得られる様々な交流や経験による作用が、彼らの精神的な安全保障を得ているからです。
仕事や恋愛、友人関係の中でこの成功者タイプは周囲のニーズを満たすことができます。
しかし、そのために本当の自分を隠していることもあります。
社会のニーズを満たすために「なりたい自分」を演じるのです。
無意識的でありながらも社会に対する臆病さを持っている成功者タイプは、他者承認のために自分自身を高めることができます。
そしてそのために鼓舞ことができ、どこまでも成長していくことができるる人々です。
操縦者タイプは自身の使命を全うすることにしか駆り立てられないので自分自身を高めるということに注力できない一方で、成功者タイプはどこまでも自分自身を高める素晴らしい力を持っています。
そんな彼らの能力は社会から高評価を受け称賛されます。
真面目によく働き、人々に愛と享楽を与える存在です。
▼こちらの記事も参考になるかもしれません。(ESFP-T:七尾太一)
専門家タイプ-Constant Improvement-(内向型 × 乱流型)
A3!キャラクター例:茅ヶ崎至、向坂椋など
乱流型(Turbulent)の戦略を持った内向型(I)タイプは、とても慎ましやかで優しい人たちです!
風林火山の「林」のような存在。「徐(しず)かなること林のごとし」な用意周到さを武器に、有事に備え自己改善をしていきます。
内向型と乱流型の気質は内向型をどこまでも内向的にさせるかと思いきや、必ずしもそうではありません。
外部との関わりを控えることもありますが、外の世界との友好を保つために友好的かつ社交的に振る舞うことさえ多々あります。成功者タイプが社会的ストレスから自分を守るためにオフェンスの姿勢を取るのに対し、専門家タイプはディフェンスの姿勢を取っています。*5
専門家タイプは同じ内向型の熟達者タイプと同様に趣味や仕事の専門性を極めるために努力をします。
しかし熟達者タイプと違うのは、その知識や技術を社会に評価してもらうことを欲していることです。
これは社会からの目を専門家タイプの本質から反らすためです。
知識や技術の習得は専門家タイプのマインドに安全をもたらす効果があると同時に、専門家タイプが数多くしてきた感情的経験はこれらを印象深く彩ります。
この性質も相まって、専門家タイプは非常に社会のために献身的です。
孤独な性質でありながらも人好きで、社会のために絶え間ぬ努力と自己改善をすることで良い評価を受け、それに満たされることができます。
評価がもらえないとポジティブな感情を保つことが難しいと感じるかもしれませんが、自分自身を丁寧に扱い評価してくれる友人や家族などと関わりあうことで、平和で温かい人生を送ることができます。
専門家タイプは独断タイプに比べ、他者と友好的な関係を築く能力があります。
日本ではいちばん人口の多い戦略タイプです。
友好的で平和主義な専門家タイプが、日本の天下泰平に貢献しているのは言うまでもありません!
戦略タイプまとめ -Author’s Column-
戦略タイプとは社会に対する自分の売り出し方のこと、大きくわけて2つの戦略タイプ(独断型・乱流型)はストレス耐性の強さによって振り分けられるということをご理解いただけたかと思います。
このストレス耐性というのは、遺伝子レベルの問題ではなく環境的要因によって左右されるのですが、人の性格は気質と育ってきた環境で培われるとはよく言ったものですね。(もちろんこれはあくまでも類型論ですので細かく言ってしまえばキリがないほど人の性格を作るエレメンツは数多くございます)
筆者は独断型の外向型である「操縦者タイプ」のENTPです。
確かに私は自分自身の弱みも知ってはいながらも、それすら武器にして困難な目標に向けてチャレンジする人生を歩んでいるように思います。
しかしそれに気付けたのは、紛れもなく乱流型の戦略タイプの人生を生きてみようとして失敗をしたことがきっかけです。人生トライアンドエラーですね!
この理論を紐解いていくうちに「皆が皆、強いわけではない」と理解し、天地がひっくり返るような思いすらありました。
私はたいへん無知で浅はかでした。しかし独断型の私は、自分の浅はかさも肥やしにしてまた明日から果敢に立ち向かっていくことができるのです。
そして無知だった頃よりも社会に対する知識が深まったことに、清々しささえ感じています。
大切なのはこのように「他者と自分の違いと、その理由を知ること」です。
一部の乱流タイプは独断タイプのように強くなりたいと望むかもしれませんが、独断タイプは唯一であるがために孤独を受け入れることが必要であったりと、決してその道が平坦なわけではありません。
自身の特徴を客観的に知ることで、欲求や意識をコントロールし自分の行動に責任を持つことができます。(自覚をもった行動)
皆さんもこの戦略タイプ論から何か気づきを得るきっかけになったらいいなと思います。
戦略タイプの話はまだ続く予定です。
次回はA3!のストーリーに絡めたお話などもお届けできたらと思います!
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