【判断機能】感情(F)と思考(T)の使い方って?【外向/内向】

 

【2019/3/7】記事リノベーションしました!

心理機能の基礎講座。今回は判断機能(思考と感情)についてです。
判断機能(感覚と直観)の使い方については別記事でまとめてありますので、合わせて参考にしてください。




はじめに

これからご紹介する事項はあくまでも心理機能“単体”でのご説明になります。
どのタイプも判断機能と知覚機能を合わせて使用しますので、その点を踏まえてご理解していただけますと幸いです。
また、判断機能を主機能としないタイプに関しましては第3機能にあたる判断機能も含めて理解していただくと、より分かりやすいかもしれません。

判断機能とは?

今回ご紹介する『判断機能』とは、人が内外から受け取った情報をどのような基準で判断するかを表したものです。主観的に判断する人もいれば、客観的に判断する人がいたり様々ですよね。判断機能とはその原理となっている心理機能で、大きく感情型(F)と思考型(T)に分類されています。

外向的感情(Fe)と内向的感情(Fi)

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外向的感情(Fe)

  • 外向的感情(Fe)主機能タイプ…ESFJ、ENFJ
  • 外向的感情(Fe)第2機能タイプ…ISFJ、INFJ

感情(F)を外向き(e)に使うというのは「周囲の感情を識別、操作する」「他者に共感するということです。

自分の個人的な価値観を通さずに他者がどう思っているのか、何を望んでいるのかを識別し、人々が良い感情を保てるような判断をする機能です。判断外向タイプは外的世界に対し「操作(創造)」を行いますが、外向的感情(Fe)は周囲の感情を操作します。例えば他者におもてなしをするなどして他者の感情を自然な形で動かすのです。

Fe機能の例

★揉め事が起きないように、料理を平等に配膳する
★集団に入りたがらない人を気遣い、集団に入れるようサポート
★落ち込んでいる人を励ます

このように、外的世界にある多くの感情に配慮することに関しては非常に優秀です!Feは多くの人が楽しく過ごせる空間と雰囲気を創造します。後にご紹介いたします内向的感情(Fi)グループが内外の感情をひとまず「自分」というフィルターを通して濾過するのに対し、Feのグループは「社会」という外的世界のフィルターを通して濾過しています。(ダイレクト機能)

ですのでこのFeは「世間一般に認められた感情的な価値」を重視する機能なのです。マイナスよりもプラスの感情を大切にし、皆がプラスの感情を持ち続ける世界を望みます。困っている人がいたら話を聞いて解決してあげた方が良いと考え、つまらなそうにしている人がいたら楽しい話をして笑って欲しいと考えます。人々が感情的に有益であることを望む機能なのです。特に集団生活においては、人々が有益な感情を持ち続けることによって和が保たれます。Feは個人の感情をあまり表に出しませんし、集団の中で個人の感情を出すことを自分勝手だと感じることさえあります。ですが、Feのおかげで集団の感情的な秩序が保たれているのです。

※Feグループでも主機能に持つか、第2機能に持つかでは使われ方が変わります。そちらに関しては各タイプの分析記事を参照してください。

▼外向的感情(Fe)に関してはこちらでも詳しく説明しています。

内向的感情(Fi)

  • 内向的感情(Fi)主機能タイプ…ISFP、INFP
  • 内向的感情(Fi)第2機能タイプ…ESFP、ENFP

感情(F)を内向き(i)に使うというのは自分の感情や個人的価値観を重んじる「他者に同情するということです。

内向的感情(Fi)は自身の感情を識別し、個人的な主観(私はこう感じる)を重視します。外向的感情(Fe)は他者の気持ちを汲む作業をする場合に「社会」という外的世界のフィルターを使って濾過していましたが、このFiグループは一度「自分」というフィルターを通して濾過します。インダイレクト(間接的な)機能ですので、意思決定のための知覚情報などをいったん自分の内面に持ち帰り、検討する時間を必要とします

Fi機能の例

★料理は好きな時に好きな分量を食べ、皆もそうすることが幸福と思う
★集団に入りたがらない人を気遣い、自らが集団から抜けてサポート
★落ち込んでいる人に寄り添う

このようにFiグループはとてもじっくりと内面の感情と向き合ったうえで判断することに優れています!ですので感情に対してとっても真摯であり、自分の感情に嘘をつきたがりません。そして周囲にも自分の感情に正直であって欲しいと願います。本当はムカつく!という気持ちを持っているのに、ニコニコと笑っていなければいけないような状況に強いストレスを感じますので、特にFiを主機能とするタイプはそのような状況から静かに逃げ出す(または沈黙する)ことがあります。それは自分の素直な感情を保持するための行動なのです。

判断内向の機能であるため「個人的な」の感情をもとに判断をします。ですのでとても同情的です。「自分があの子の立場だったら悲しい気持ちになるので、相手も悲しいかもしれない」と考えます。Feはマイナス感情を識別するとそれをプラスにしようと操作したがりますが、Fiは操作することを好みません。それどころか操作して得た感情を偽物と感じるかもしれません。Feの「社会的に認められた価値」ではなく「自分が認めた価値」をとても大切にし、守っている機能です。

※Fiグループでも主機能に持つか、第2機能に持つかでは使われ方が変わります。そちらに関しては各タイプの分析記事を参照してください。

▼こちらの記事でもFiに関する説明をしています。

外向的思考(Te)と内向的思考(Ti)

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外向的思考(Te)

  • 外向的思考(Te)主機能タイプ…ESTJ、ENTJ
  • 外向的思考(Te)第2機能タイプ…ISTJ、INTJ

思考(T)を外向き(e)に使うとは価値の認められた理論(セオリー)を用いる」「既成事実を元に絶対的判断をするということです。

客観的事実に基づいた因果関係を識別し、利得を創造する判断をする機能です。外向的感情(Fe)と同様の判断外向タイプですので、同様に価値基準は外的世界に委ねられています。Feグループが感情的な価値を大切にしている機能であるならば、外向的思考(Te)は実用的な価値を大切にしている機能です。Feと同様にマイナスよりもプラスが良いと考える機能であり、それが感情ではなく客観的に見た真実となります。(ダイレクト機能)

Te機能の例 

★美味しい料理を食べるために三ツ星レストランに行く
★鳴かないホトトギスを鳴かせる
★目的を達成するための計画を実行する

このように外的世界の現状を識別し意思決定を下すことにおいて非常に優秀です。Feが「怒っている→なだめる」のような感情的なセオリーによって素早い判断を下すように、Teも「できない→練習する」といったような理性的なセオリーによって素早い判断を下します。このためTeを持つグループは非常に能率的です。“能率”とは一定の期間でこなせる仕事の絶対量のことであり、似たような言葉である“効率”は仕事量に対するコストの比率を表すこと。後者の“効率”を得意とするのは後述する内向的思考(Ti)の機能です。

能率重視のTeは、判断外向仲間であるFe同様に物事の筋道を操作します。Teを主機能に持つ人に一般的に言うリーダー気質が多いのはこのためです。鳴かないホトトギスを鳴かせるために作業の行程を決め人員を配置し作業を指示します。なぜならTeがとっても能率的な機能だからです。「1時間でできる仕事量は少ないよりも多いほうが良い」といったような世の中のセオリーを重んじるので、とても生産性があり有益なものをたくさん生み出すことができます!

※Teグループでも主機能に持つか、第2機能に持つかでは使われ方が変わります。そちらに関しては各タイプの分析記事を参照してください。

内向的思考(Ti)

  • 内向的思考(Ti)主機能タイプ…ISTP、INTP
  • 内向的思考(Ti)第2機能タイプ…ESTP、ENTP

思考(T)を内向き(i)に使うとは物事のシステムを理解する」「対象を比較検討し相対的に判断をするということです。

内向的感情(Fi)と同様に内面の識別に長けた機能です。思考型ですので、事実の仕組みや知識体系などを理解しようとします。例えばとある商品が気になったとき、この機能は商品の特徴や価格などのスペックを調べ、モノについて理解をしようとします。インダイレクト(間接的な)機能ですので、意思決定のための知覚情報などをいったん自分の内面に持ち帰り、検討する時間を必要とします

 Ti機能の例

★三ツ星レストランは美味しいが価格が高く、コスパが悪いと感じる
★ホトトギスが鳴かせるために、ホトトギスの生態について調べる
★目的を達成するための情報を集める

このようにTiはセオリーにとらわれない柔軟な思考をすることにおいて、とても優れています。彼らはとてもユニークな思考の持ち主です。Fiが「自分の感情に嘘をつきたがらない」機能であると説明しましたが、Tiは事実や考えに対し嘘をつきたがりません。ですから不正確であると判断したとき、彼らは正直で厳しい批判をするかもしれません。それは「どういった仕組みで出来上がっているのか」や「そもそもこうなったのはなぜ?」など、知覚情報に対してまず疑いの目を向け自分なりの考えを研ぎ澄ました結論であって、根拠のないものではありませんが…。こちらも外向的直観(Ne)と同じくロジカルな機能ですが、Tiの場合は論理的という翻訳ではなく体系的という翻訳になるでしょう。

前述した通りTiは“効率的”な機能です。物事の全体がどういった秩序や仕組みをもって構成されているのかを認識し、それらの情報をもとに比較検討することでその状況で最適な判断を下します。Teが最善を選ぶのであればTiは最適を選びます。その「最適」は個人や状況によっても変わってくるので打算的である場合もあれば、リスクを取る場合もあります。ですからTeが「1時間でできる仕事は少ないよりも多いほうが良い」と考えているところ、Tiは「1時間かけてやっていた仕事を5分で終わらせる方法」を考えます。効率的に仕事をすることで、なるべく少ないコストで成果を出す、といったことを可能にする機能なのです。

※Tiグループでも主機能に持つか、第2機能に持つかでは使われ方が変わります。そちらに関しては各タイプの分析記事を参照してください。

各判断機能の抑圧関係

これらの判断機能は表裏一体で作用します。

外向的感情(Fe) ⇔ 内向的思考(Ti)

内向的感情(Fi) ⇔ 外向的思考(Te)

Feを使うとTiを抑圧し、Fiを使うとTeを抑圧します。しかしこのペアの機能は所詮表裏一体の機能であり同じカードに描かれたオモテとウラの絵柄…すなわち光と影のような存在です。




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