
また性懲りもなく真夜中の住人の話をしようとしています…ごめんなさい。でも鉄は熱いうちに打てと言うじゃないですか。今だけなので…お許しを……(メインストーリー第二章おめでとうございます!)
あ、イベント終了したので展開なしで書いちゃいますね。過去記事もご参考に。
冬組劇団員の名前の意味
さて、今回は「名前」についての小話です。さっそく冬組の名前の意味について、考えていきます。辞書に載っている漢字の意味や命名辞典よりいくつか抜粋しました。
紬…物事の糸口を引き出し一本の糸にする
丞…傍らから両手をそえて助ける、補佐役
密…ぴたりとひっついて隙間がない、繊密である、奥深いところ
誉…優れているという評判を得る、褒め称える
東…太陽の出る方角、主(あるじ)
なんかもうお気付きの方も居るとは思いますが、今回のイベスト、各々が「名前にちなんだ役割」をこなしているのでは?という仮説を思いついてしまったのです!
紬…物事の糸口を引き出し一本の糸にする
「やる気のある丞から見たらボクの芝居に対する姿勢は歯がゆく感じてるかもしれない」と悩んでいた東に対して、丞の台本を見せてもらうようアドバイスします。つまりどういうことかと言うと、
東から見た丞…演劇が好きで、全て演劇のために行動している成果主義な人間
本当の丞…演劇が好きなのはモチロンだが東のためを想って試行錯誤している(東のために自分の経験や知識を提供したいという間接的な愛情)
この認知の差をどうにか埋め合わせようとしたのが紬なのですね~~。東から見た丞という「糸」と本当の丞という「糸」。それぞれ独立していた2本の糸を紬ぎ合わせようとしたのです。ヒトとヒトを紬ぐ。細やかな愛情で周りを見渡せる紬くんにぴったりの素敵な名前ですよね。
余談ですが紬が発見したリンドウの花言葉は「悲しんでいるあなたを愛する」です・・・深い。奥ゆかしすぎる!
密…ぴたりとひっついて隙間がない、繊密である、奥深いところ
これは東にお徳用マシュマロをあげるシーンですね。何も物理的に役立つ補助はしていませんが、優しいまごころでぴったり彼に寄り添います。(かわいい) また他者の繊密な感情の動きを自然と感知することができる密だからこそ、東の悲しいココロに気付くことができました。
しかし密という名前って名付け的にどうなんだ?って最初思っていたのですが、こんなに素敵な意味だったんですねぇ~。名は体を表すと言いますが、奥深い優しさのある密にぴったりな名前だと思いました。普段は赤ちゃんのような行動をしている彼だけど、赤ちゃんのような汚れなき思いやりの心をひっそりと持っています。このブログで使っている分析心理学の父であるC.G.ユングは密の主機能である内向的感情(Fi)のことを「静かな水は深い」と言いました。私はこの言葉は「密」の言葉の意味に概略的に当てはまるなぁと思います。
誉…優れているという評判を得る、褒め称える
まず、似た言葉である「誉れ」と「誇り」の違いについてなんですが、誉れは他者から優れた評価を得ている事柄のことで、誇りとは自分なりの価値観で優れていると評価した事柄のことです。こう書くと、何か命名の深さにじみでますねえ。誉みたいな奇想天外なキャラの名前が誉なんですよ…。
まぁそれはそれとして今回は「評価をする側の他者」としての役割になります。今回の誉の役割と言えばやはり当ブログ的には「芝居をする意味」についての誉の見解を東に伝えたことでしょう。東は自分が芝居をする理由【他者との繋がりを感じること】について誇りを持てずに居ました。そんな東に有栖川誉は誉れ(他者からの評価)を与えるのです。芝居そのものを好きかは分からないけど少なくとも意義を感じてやっているのは事実で、それは誉と東の共通点です。東は自分を志が低いと評価しましたが、この誉の言葉は東の志を高く評価していることになります。まさしく誉れ高きことです。キミも天才だ!誉の一見バカげて見えるその理論に大事な「なにか」を気付かされる人間はたくさん居ます。これからも多くの人に誉れを授けたまえ!
丞…傍らから両手をそえて助ける、補佐役
誉の名前が誉なのも感慨深いですが、丞の名前が丞なのも感慨深い。人を助ける、補佐する。丞のご両親はそんな男の子になって欲しいと願いを込めたのでしょうね…。殿でも君主でも王でもない。東との二人の関係が「ナイト&クイーン」なのも頷けますね。クイーンに対するキングではないのです。
こちらのサイトで言及されている丞という漢字の成り立ちに、「(穴に落ちた人を)ひざまずいて救い上げる」情景を表現したのが「丞」であると記載されています。まるで今回のイベントストーリーでの丞の行動のようです。人の助け方って色々あるけれど、丞は性格上器用に人を助けることができないです。穴に落ちた人を助ける時、ハシゴでもかけてやれば最もスマートなんですけど、今回丞は地面に跪きジーンズを汚しながら手を差し出して「捕まれ!」って言うやり方を選びました。そうしかできなかったのです。良いハシゴを探したけど、何かどのハシゴも違ったし。ハシゴをかけてあげたほうが穴に落ちてる人も楽に地面に上がれるし合理的なんだけど、より私情が伝わるのって跪いてジーンズを汚しながら捕まれ!と言うやり方ですよね。助ける人と穴に落ちた人の間にハシゴという遠慮&建前は要らなかったのです、東さん的に。丞はただハシゴが見つからなかったからもういいや素手で助けちゃえ!って考えで行動しましたが、何だかんだ丞にはそのほうが合ってる。そして実際に救われた人が居る事実。不器用で良い!不器用なところが良い!彼もまさに「名は体を表す」です。
東…太陽の出る方角、主(あるじ)
これは最も深い意味のある名前だと感じます。皮肉にも朝が苦手な東の名前が「太陽の出る方角」という意味だからです。朝日は東の空にあります。それを嫌いなのです。孤独を感じるから。自分が孤独だから。朝=孤独=雪白東=苦手という方程式(?)です。完全なる自己否定である…。まぁ正しくはそれはこの物語の中で「過去形」となりますけどね!
「真夜中の住人」というタイトルをこの論点から見ると「自己を否定する部屋に住まう人」という意味になります。それはすなわち東の一人暮らしのマンションです。彼はMANKAI寮という自分を肯定できる場所を見つけたにも関わらず、「丞と同じように芝居に向き合わなきゃ…」という思いから、再び自己を否定する部屋に戻っていきます。そこに丞が自己を否定する部屋に閉じこもる主人を助けようと、跪き手を差し伸べるのです。
その手段は「自己否定への否定」という方法でした。朝=孤独=雪白東=苦手という負の方程式を崩していったのです。まず朝=孤独という式。東が孤独を感じる朝、目が覚めると丞からのLIMEがあったり、駅に迎えに来ていたり。結局、自己を否定する部屋に住んでいても、朝=孤独のイコールが成り立たなくなってきていました。ひとつ崩れると面白いように崩壊していくこの方程式。丞と共に嫌いだったはずの朝を迎え、こんな言葉を口にします。
「ここから見える朝日がこんなに綺麗だったなんて知らなかったなと思って。」
ヒトとヒトを紬ぐ者、 まごころでぴったり寄り添う者、良い評価を与える者、そして跪いて救い上げる者。それらの絶妙な働きによって東はこの自己否定の部屋が本当は自己肯定の部屋だったことに気付いたのです。ナンダコレ、素晴らしすぎませんかね…!?!?
たちまち負の方程式は朝=美しい=雪白東=好きというものに変化しました。他界されたご両親も胸を撫で下ろしたことかと思います。どうか安心して眠って欲しいです。貴方がたのご子息は本当に素晴らしい。どんな暗闇でも必ず朝が来る、その朝という安心感や希望の光をこれからも変わらず周囲の人々に与える人間であって欲しいです。
少し長くなりましたがいかがでしたでしょうか?これに気付いてすごくワクワクしちゃいました(笑)いろいろなことに気付く度に、A3ってよく作られてるなぁ…と感激してしまいますね。こういった類の考察は他のイベストでもありますので、いずれ書いていけたら良いなと思います。
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