【キャラクター分析 plus+】斑鳩三角(’19/10/3 rewrite)


 

【キャラクター分析plus】当記事はACT2現在までの情報を踏襲したパワーアップ版のキャラクター分析記事になります。(’19/10/3 rewrite)

今回は夏組から斑鳩三角くんのご紹介です。

MBTIの紹介の前にひとつ。彼は発達障害を持っている可能性がございます。発達障害が現れている状態でMBTIのタイプを判断するのは間違っているという意見があるみたいですが、筆者は発達障害も個性であると考えておりますのでそれを含んだうえで分析しております。




斑鳩三角:INFP(Fi / Ne / Si / Te)

まず、INFP型の基本的な性格についてなぞっていきましょう。

INFP型のあらまし

心優しく高潔で素直な性格タイプ。人懐こく愛らしい人たちです。内向的な判断機能が主機能であるため、マイペースな傾向にあります。

繊細な感情を理解し、他者の気持ちを自身のことのように感じながら相手を思いやります。その感情は柔軟な洞察力をもって運用されるため、人々が気付かないような複雑な感情をも理解し、たいていは間接的な手法で献身的に相手をサポートします。

マイペースで楽観的なイメージに反して、非常に生真面目な一面を持ちます。高い理想を持ち、実現のための努力ができる能力を秘めています。しかし、それを周囲にアピールしたり押し付けることがないのもこのタイプの魅力でしょう。

主機能:内向的感情(Fi)

感情型(F)です。客観的事実を捉えることよりも、自分の価値判断を重んじるタイプです。F型の判断機能とは「良心的な価値判断すること」です。これが内向きに使われているということは外の世界にいる他者ではなく、自身の感情を基準に物事を識別します。

根拠

まず感情型であるという根拠についてご説明しましょう。感情型(F)が「良心的な価値」であるのに対し、思考型(T)は「機能的な価値」と言えばわかりやすいでしょうか。思考型である場合、「正確さ」や「有用性」などを重視して物事を判断します。もちろんこれらは感情型にとっても大切なことなのですが、どちらが判断の基準となっているか?に目を向けると、三角の場合は良心的な価値判断…例えば自分が「好き」と思えるか思えないかで判断していることはとてもわかりやすいかと思います。さんかくのこともお芝居のことも仲間のことも、三角は「好き」という自覚を持っていますし、その感情をいつでも無視することはない、心のあたたかいキャラクターです。

そしてその感情(F)を内向き(i)に使うということは、「良心的な価値判断」は自分独自のものに左右されます。外向きの感情機能である外向的感情(Fe)であった場合、この良心的な価値判断は外の世界に向けられます。つまり、他者の要求を汲みサポートする・相手に失礼にならないように振る舞う…など、外的世界にとっての「良心」を守り体現する傾向となるのです。A3!内のキャラクターで言えばいづみや咲也、臣などに代表されます。

これを考えると三角は、Feの特徴が出ているとは言いがたいでしょう。例えば他者との関わりの中でFeは「悲しい人を励ます=悲しい人を悲しくなくする」という感情の操作を施しますが、一方のFiは「悲しい人に寄り添う=悲しい気持ちを理解し受け止める・共有する」――つまり、他者の感情の自由を尊重します。同時にそれは、自分の感情に対しても自由であるということです。

5幕では新たに同じ部屋で生活する仲間として兵頭九門(ESFP型)を迎えました。繊細な心を持つ九門は主演公演を前にして複雑な感情をたくさん経験しますが、三角は始終彼の感情を尊重するスタイルを取っていました。励ましやサポートはすべて椋に任せ、弱い自分と戦う九門の心に寄り添い見守ることに徹していたのは興味深いです。

三角はこのように頑張っている人に対してよく三角をプレゼントしますが、こうした表現もFiの要素です。さんかくクンには何の有用性もありませんが、三角は「あなたの味方だよ」というあたたかな気持ちを相手にそれとなく伝えています。示唆的なのがなんともまた三角らしいですね!

補助機能:外向的直観(Ne)

直感型(N)です。「今、ここにあるモノ」を知覚するよりも「今、ここにあるモノの背後にある情報」を知覚する傾向にあります。

あくまでも補助機能ですので、主機能の内向的感情(Fi)に付随する形で使用されます。Neが主機能になる外向タイプのENFPやENTP(キャラクター例:三好一成、有栖川誉)は、興味関心が広く外に向き高度な情報処理能力を有しますが、三角の場合は知覚が優先されるわけではないので自分の興味関心の範囲内でNeが使用されることがほとんどです。その分Neが主機能の人よりも独創性に富み、一途な傾向です。

根拠

まず、直観型である根拠についてご説明します。感覚型(S)である場合、「今」を「ありのまま」に知覚します。INFP型のS型版はISFPで、十座と密が該当します。彼らも豊かな感情を持ち独創性に富む内向的感情(Fi)タイプですが、「物事の裏にある情報」の部分に目を向けるのはさほど得意ではありません。その分、その場の空気を瞬時に察知することや危機管理などの感覚的な識別を得意とし、それが冒険的で大胆な印象を与えているのです。

三角は運動能力の高さもあり密と一緒にアクティブな遊びをよくしていますが、だからといってS型ではありません。どちらかといえば思慮深く考える慎重なタイプです。思い立ったら行動!というわけではなく、自身の感情が発生した動機にきちんと納得することをとても大事にしているキャラクターですね。行動重視の「行動するために考える」Seタイプと、思索重視の「考えるために行動する」Neタイプの違いです。実際に三角は主演を務めた『抜錨!スカイ海賊団』でも、準主演を務めた『SHINOBI珍道中』でも自分の感情の発生動機を探るための行動をしていました。特に『抜錨!スカイ海賊団』はそのものであり、たいへん三角らしいストーリーに仕上がっていたと思います。

また直感型(N)の中でも外向タイプ(Ne)になります。内向タイプ(Ni)の場合は、時間的直観とも呼ばれる通り「物事の展望」を知覚する人々です。「物事がどうなるのか?」または「そのためにどんなアプローチが必要なのか?」という、時間的な概念を捉えます。
一方で外向タイプのNeは「なぜそうなるのか?」といった動機的な情報を捉えます。三角は『抜錨!スカイ海賊団』などの例にもありました通り「動機(原理)」を重視していることから補助機能にNeを持っていることがわかります。

内向型×判断優位タイプ

性格類型論ではしばしば外向/内向タイプが社交性、活発性などと比例するような誤解を受けていますが、必ずしもそうではありません。実際INFP型は三角のように人懐っこく愛らしいタイプも多くいることも特徴です。Fiが優位であることから他者の感情の根幹を察知することにも長けているため、社会的地位や年齢などに関わらず多くの人と和やかな関係を築くことが可能なタイプです。天馬のような少々つっけんどんなタイプの懐に上手く入ることができるのも、その特徴のおかげでしょう。

では何が内向型を見分ける特徴なのかと言うと、ざっくりと「関心の幅」の差にあります。バランス型な外向型と比較すると内向型は一点集中型であり、特に判断機能が優位のIxxP型はその特徴が顕著です。自分独自の判断機能を持つ判断内向タイプは、創意に富みユニークな感性を持ちます。 ですからこのタイプは他者に合わせて考えを曲げたりすることがあまり得意ではありません。

キャラクター調書:斑鳩三角

幸せのさんかく

三角といえばさんかく!と言っても過言ではないくらい、このキャラクターの名前から趣味まですべてがさんかくです(笑)
しかし三角はただなんとなく三角が好きなわけではありません。それをうまく言語化しようと試みるタイプではありませんが、大好きなじいちゃんがつけてくれた素敵な名前の理由をひとりぼっちの世界でもずっと探し求めてきました。

「世界は色々なものであふれているけどその中のたった3つだけで完璧な形を作ることができる」――点と点を結んで「形」を作るようなユークリッド幾何学的方法に於いて、三角形というのは最も少ない点でかたちづくられる図形です。祖父の斑鳩八角は三角に対しても「人生の中で大事なものはたった3つほどしかないからそれを見つけて大切にしてほしい」という願いを込めて、彼を愛情深く育ててきました。三角はお芝居とそれを共に楽しむ仲間と出会うことで、自分の大切なものに気付きました。

彼の言う「幸せのさんかく」である、①三角②お芝居③仲間。これさえ弊害なく揃っている世界こそが理想の世界なのかもしれません。しかしながら、無条件でいつでもお芝居ができるわけでもないし、仲間の和やかな関係も時には壊れてしまうこともあります。心が三角でなくなるときもたびたび訪れます。でも三角は「どういった状態が理想なのか」ということを、見いだすことができる力を持っているのです。どんなに優秀な人でも、理想がどのような状態なのかを理解していなければ路頭に迷ってしまいます。「みんな仲良く」とか「生きがいを見つける」とか「真摯に働く」とか、我々が外部からの刷り込みなどにより潜在的に意識している理想というのは、何の考えもなしに生まれたわけではありません。そして我々人間はこういった人たちによって発見された「理想」を目指すからこそ、社会的な秩序が保たれているわけです。

現実は理想のようにうまくはいきませんし、思い通りにならないことのほうが多いです。三角のこれまでの人生だってそうでしたし、これから先の安楽が保証されているわけでもありません。それでも三角は本当に大切なものを守り抜く強さをこれからも持ち続けていくのだと思います。

レアな感情の経験――三角と内向的感情(Fi)

準主演を務めた『SHINOBI珍道中』では、留学をするか迷っていた一成に対して、とても複雑な感情を抱えました。留学は夢に向かって進むことですから、自分は友人として一成の決断を応援したいという気持ちを抱えがらも、一成と離れてしまうことを純粋に寂しいと感じてしまい、相反する感情に悩まされてしまいました。

しかしこのとき三角は己に感情に不快感を感じていながらも、その感情が「寂しい」という感情であるということはいづみに言われるまでは把握していませんでした。

私たちは何気なく感情に名前をつけてジャンル分けをしています。思ったようにならない状況に対して生じた感情に対して「ムカつく」などと呼び、逆に思い通りになって心が満たされた状態で生じた感情に対しては「うれしい♪」などと呼びます。喜怒哀楽…なんて簡単に言っていますが、これは状況に対する感情の名前のジャンル名のようなものでしかないのです。

「寂しい」という感情もまた、あってほしいものが欠けていて満たされない気持ちのことを総称して呼んでいるもの。感情の発生というのは自覚の有り無しに関わらず多くの人にとって自然的な現象ですが、意外とその認識は既成概念によるものだったりするんですね!

しかし三角の場合、というか内向的感情(Fi)タイプの場合はとりわけ「感情そのもの」が何よりも先にやってきます。INFPやISFPタイプは穏やかで多くを語らないタイプですが、自分の感情に対して「言葉で表現するもの」という認識があまりないからです。これはカメラに例えると非常にわかりやすいのですが、自分の感情を常にマクロレンズで捉えるようなもので素材の質感や色の変移などを事細かに感じることができるのに、肝心な被写体が何なのかはわからない…といった感じでしょう。感情の認識が上手すぎるのです。

『抜錨!スカイ海賊団』でも、三角のこのマクロレンズ的な感情描写は際立っていました。じいちゃんの顔が思い出せないとき、三角は当時の感情を「ぼんやりしてる」「こわい」とか「一人ぼっちになったみたいに、胸がぎゅうってなる…」と語っています。おそらくその時の三角のもやもやとした感情というのはこのような様々な素材で形作られていて、そのすべて感じることができる三角だからこそ、感情をひとまとめにして説明できないのです。

そして三角の大きな特徴でもありますが、このレアな感情の経験を第三者的に見ているところです。これは多角的視点で物事を見る補助機能Neの影響です。感情を感じている自分をドローンで様々な角度から見ているような感覚を持っているため、「なぜ自分はこの感情を感じているのだろうか?」という考え方をします。これが自身の感情への探求心につながっており、萎縮した気持ちを抱える中でも前を向いて感情のルーツに向き合うことができます。

一見ゆる~くふんわりおっとりとした不思議ちゃんのようですが、彼の行動や言葉の意味を繋ぎ合わせて見ていくと本当に深い考えを持っているキャラクターだということがわかります。多くを語らない・語れないというだけですし、語らないからこその説得力があります。

自然体の「斑鳩三角」の魅力

メインストーリー2幕と『抜錨!スカイ海賊団』のイベントストーリーでは、彼の家庭環境について少しだけ語られています。両親に旅行費を出してもらえず修学旅行に行けなかったことや、親の言いつけで弟の円とも遊んでもらえなかったことなどから見て、三角は両親に存在を放置されてきたようです。

そんな中、祖父の八角だけは三角のことを見放さずに愛情深く育ててくれました。三角はそんなじいちゃんのことが大好きで、八角が亡くなった後もずっと心では繋がっている――そんな印象です。三角にとって命の有無という実際的なことよりも、じいちゃんに関する感情が発展していくことのほうが大切なのだと思います。亡き人になったこと自体を悲観しているわけではありません。

彼の人生経験を見たら、一般的にはたしかに「しんどい」という感想を抱かれがちなのかもしれません。でも、もし両親に愛されて弟とも仲良くて…という一般的に「幸福」といわれる人生を歩んできたら、ひとりぼっちになった時の強烈な傷ましい感情も経験しえなかったわけですし、そのたびに思い出して糧にしてきたじいちゃんという存在もここまで大きいものではなかったかもしれません。なので、三角の人生哲学でもある「幸せのさんかく」にも気付かなかったでしょう。

そして三角はいつもひとりぼっちだったと言っていますが、それは裏を返せば自分の信念を曲げてまで他者に合わせることをしなかったということです。三角は穏やかですが根っこの部分はとても頑なであり、意志の強い人間です。理解者がいるかいないかで言えば居るに越したことはないですが、だからと言って他者に理解されようと無理やりに自分を取り繕わないところは彼の魅力だと思います。いつでも自然体であることは三角の大きな特徴といえるでしょう。彼は三角であり、四角にも丸にもなりません。サンカクへのこだわりは、いつでもどこでもその規律をきっちりと守り続けて生きてきたという証でもあるのかもしれません。

所見

この度「キャラクター分析plus+」の第一回目として三角の記事をリライトさせていただきました。未掲載のキャラクターも含め今後はこのような形で、前半に心理機能解説と根拠の説明、後半にキャラクターの掘り下げコラムという構成で記事を書いていけたらいいなと考えております。第一回目なので文章量が多くなっていますが、だいたい長すぎず短すぎずな5000字程度のボリューム感でまとめていけたらいいなと考えております。

『スカイ海賊団』の話はたくさん取り上げさせていただきましたが、とてもじーんと来る良いお話だと個人的にはとてもお気に入りです。同じNeを持つ者として、三角の本質を突いた考えというのは共感するところも多いのです。三角は人生に於いてとてもミニマリスト的な考え方をしていますが、同じFi使用者のISFPになるとこれがマキシマリスト的な考え方になるのも興味深いですね。

コラムパートのそして最後にも語りましたが、彼のあるがままでナチュラルな生き方はとても魅力的に感じます。今の夏組のみんなというのは、孤独を覚悟した人生をまるごと受け入れてくれた仲間です。あるがままの三角を受け入れてくれた友達だからこそ大切にしたいという思いも強いのだと思います。




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